INTERVIEWS

2022/02/22

アンティークコイン専門ショップをオープン!コワーキング会員岩井健太に聞くDRIVE活用事例

SAPPORO Incubation Hub DRIVE では、多様な業種の方々が入居しています。今回は、TRADEeze合同会社代表 岩井 健太さんに DRIVE 活用法をお聞きします。気になる事業内容も合わせて、DRIVE Community Staff 清家がお話を伺います。

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TRADEeze合同会社代表

岩井 健太

1982年生まれ。兵庫県出身。近畿大学卒業後、独立起業に挫折し沖縄移住。25歳の時に沖縄でバーを経営するも撤退。飲食業・営業・その他サービス業などで勤務する傍らバー経営時の失敗を教訓とし、固定費の少ないWeb物販事業を開始。Amazon・Yahooショッピングで自社商品の販売、海外サイトeBayで卸商品の販売をWebを駆使し自動化。30ヶ国以上の人々と輸出入ビジネスで関わる中、「アンティークコイン」という商材に出会い、DRIVEで富裕層向けの金貨専門の自社Webショップを1から制作しローンチ。

<アンティークコインコレクション>

https://antiquecoin-collection.com/

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ーー大学卒業後すぐに沖縄に移住されて起業されたとプロフィールにありますが、詳しく教えていただけますでしょうか?

当時は就職の間口も狭く、「このままやりたくない仕事をしていいんだろうか」と疑問に感じていました。悶々としている中、たまたま起業家育成イベントに行った事が転機となりました。

ドリームゲートという起業支援団体のイベントで、本物のプロレスリングの上で、サラリーマンの一流エリートとIT起業家が「どちらの働き方がおもしろいか」を題材にマイクバトルするという内容でした。そのセミナーですごく感化されて、「自分は起業家になるんだ」といきなり言い始めました。それでインターネットに目をつけて、ホームページを制作し始めたのですが、まずそこで挫折しました。今考えれば、失敗して当然です 笑

ーーはじめから成功したわけではないんですね。

そうですね。当時はちょうどドットコムバブル時代で株式投資がすごく流行っていました。友人と株式投資をやっていたのですが見事に資金もなくなってしまいました。就職活動も起業も上手くできず、今で言うニートになりました。職も貯金もなく途方に暮れている中、リフレッシュのため目的もなく沖縄に行きました。


そこで価値観が変わりました。沖縄は全国・世界から様々な人が来ていて、今まで自分はなんて狭い考え方をしていたんだと思いました。それから様々な方達に出会いながら沖縄で頑張ってみようと決意しました。

ーーリフレッシュのために沖縄に行ったつもりが、価値観が変わるきっかけになり奮起したんですね。それでバーの経営を始めたんですか?

はい。最初はアルバイトで働いていました。元々人と話すのは好きだったので、そのコミュニケーション能力が良い方向に向いて、とうとう店長を任されました。そしてそこのオーナーさんが辞めるタイミングでそのまま買い取る形で25歳の時にオーナーになりました。

赤字になったことはなかったですが、ギリギリの経営が続き、赤字になる前に撤退する決断を下しました。

ーーそんな経緯があったのですね…その後は様々なお仕事をなされていたとお聞きしましたが、その中でWebの物販事業に目を付けたのはなぜですか。

中途採用でしたので正規の就職活動をして正社員として企業に勤めるのが難しく、当時は契約社員が精一杯でした。給料も安くお金もなかなか貯まらないので、このままではいけないというのが20代後半になるにつれて現実的になってきました。その時、副業をするしかないという思考にならざるを得なかったのです。

そこで、物販ならモノ自体に価値があるのでスキルがなくても始めやすいのではと思い、Amazon上でモノを販売をするための情報商材を初めて買いました。

ーーその情報商材は上手くいったんですか?

はい。サービス業の休憩時間中に携帯を見ると、すごく売れていたのを覚えています。Amazonに本やCD・DVDのみが並んでいる時代でした。その時もまた、自分は独立するんだと言い出して。今で言う「せどり」をやっていたんですね。しかしながら比較的簡単にできる仕事なのですぐに競合が入ってきてしまい、長く続けるのは難しいビジネスモデルでした。

そこで次は参入されにくい商品を作らないといけないということで、Amazonや楽天、Yahooショッピングなどの市場の「お客様の声」を徹底的にリサーチし、それを根拠にこの商品は売れるんじゃないかという「新しいモノを作る」ということに挑戦しました。中国の工場にODM生産してもらい、できたものを日本に輸入します。そうすると、少し軌道に乗りました。しかしながら競合は入りにくいとはいえ、やはりだんだんと類似品が出品されました。

価格競争になったりしましたが、「自分からモノを購入していただく」のレベルを上げていっていた時期でした。

ーー先日リリースされたアンティークコインショップの話もお聞きしたいんですが、そもそもアンティークコインを扱おうと思ったのはどうしてですか。

「国際配送料のコスト削減」と「商品単価を上げたかった」のがきっかけですね。規模が小さい中小零細企業では、資金力の面で薄利多売ができません。そのため高単価でもしっかりとご満足いただける商品を取り扱いたいと常々思っていました。

また、小さいながらも商売や経営に携わるにつれて世の中のお金の仕組みなどにも興味を持ち、ちょうどお金や世界の歴史について調べている時でした。しかし、ここまで専門特化しようと思うようになったのには様々な背景があります。

今までもそうですが、実は戦略的に考えています。例えばバー経営の失敗経験から、実店舗を構えたならば大きな人件費・固定費がかかるので、自分には負担が大きく感じるため避けたいとか。このやり方が上手くいかなかったからこっちに進む、という風に失敗の経験則から判断しています。

そこでやはり一個人がずっと残っていくためには、大手企業が手を出しにくくコンシェルジュのように小回りがきき、かつ海外とやり取りする仕事に舵を切ろうと。

そして今までのリサーチ力や海外との取引経験が活かせると思い、本格的な参入を検討している頃、コロナウィルスの感染拡大が起こりました。

その結果、世の中ではお金をどんどん刷って紙幣の価値が下がっている状態になり、資産防衛のため紙幣をゴールドなどの現物資産に変えている流れが生じました。これは追い風で、今アンティークコインが求められている!と確信し、コインショップの立ち上げを決意しました。

ーー一つの中小零細企業が生きていくための「弱者の戦略」を常にとってきた結果で、上手くいかなかったものはそれを変えた結果がアンティークコインだったということですね。

スタートアップとかではなく、一つ一つ失敗と成功を繰り返しやってきた結果ではないかと思います。

ーーありがとうございます。話は変わりますが、なぜ沖縄から北海道、最南から最北まで来たのでしょうか?

プライベートでこちらに住む機会がありまして、それがきっかけです。インターネット上で仕事をしているので、働く場所を自分で決めることができるのも移住した理由の1つです。

ーーひょんなことから移住することもあるんですね。実際北海道に来て感じた魅力はありますか?

一番は人間関係です。親切な人が多いです。

あとは食べ物がおいしいです。北海道はすごく食に恵まれているところだと思います。沖縄が一番いいと僕は思っていたんですが、やはり土地が狭いので、物資的な恵みは北海道の方がありますね。四季があったりラベンダーなどの花が綺麗に咲いていたり、そういった自然の環境も含めて好きです。

ーーそんな北海道、札幌の中でこのDRIVEに入会されていますが、選んだきっかけや理由はありますか。

元々、大人座というコワーキングカフェでお世話になっていました。そこで知り合った板羽さん(DRIVE コワーキング会員)がきっかけです。僕が理想としている物販をされている方で、色々教えていただける先輩ができ、その方の紹介でDRIVEに入会しました。

大人座以外のコワーキングスペースも一時期使っていたんですが、人となかなか喋りづらい場所しかなく、あまり交流がなくて…。自分で何か生業をしようとしている人たちとも関わりたかったということもありました。

ーーアンティークコインで事業を続けていく際にDRIVEで何か活用されたことはなどありましたら教えていただけますか?

DRIVEに入会して非常に良かったと思っています。

普段の使い方としては「フォーカスルーム」で作業や物を考えたりすることが多いです。「精神と時の部屋」と僕は呼んでいるのですが(笑) 

*フォーカスルーム・・・イベントスペースはイベントを行ってない時間はフォーカスルーム(集中ルーム)として開放しております。

そういった使い方もできますし、コワーキングスペースの方では他の会員様と交流ができます。情報交換などもできるので、両方の機能を備えたDRIVEはすごい素敵だなと思います。作業も捗るし、知人も増えていきます。また、立地が非常に良いなと思いました。郵便物はいつも局留めにしていて、DRIVEから歩いて1分で行けます。

商工会議所も法務局も近くにあります。市税局もサッポロファクトリー内にありますし、JETRO(日本貿易振興機構)もすぐ近くなんですよね。大通のど真ん中にあるというのはやはり事業をおこなうにあたり、非常に便利だと思います。

ーー今後の岩井さんの展望について何かあればお願いします。

今回のアンティークコインに関しては、専門家として初めて「自分の顔を出す」というぐらい覚悟を決めています。それだけではなく、もともと変化をするのが性に合っているといいますか、常に新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。環境とか頭打ちになったときは他にシフトするしかないのでその時々で変化していくのですが、その「変化」を僕は大切にしています。拡大しながらも変化して、アンティークコイン事業を軸に新しい事にチャレンジできればいいなと思っています。

その変化というのが、DRIVEを利用していれば色々な人と交流できますし、周りの人や環境が流動的なので非常に面白いです。僕が学生の時は、コワーキングカフェなんて無かったですし、風潮として転職するのは良くない、まだまだそんな時代でした。

今は時代も変わってきて、挑戦に対して「やめておけ」という人より「やってみよう」と背中を押してくれる人が増えた気がします。そういう環境はとても大切だと思っています。

そういう意味でもDRIVEにいらっしゃる先駆者の方から色々なことを教わったりアドバイスを受けたりしたいです。反対に若い人たちは新しい事柄をいろいろ吸収しているので、僕が勉強させてもらっています。先輩方と若い人の感性に常に触れていたいので、そういう意味でも両者からの良いところを全部取れるのがコワーキングの良さ、DRIVEの良さだと思います。

そのように情報を吸収しつつ僕も何か提供できることがあれば、情報交換しながらDRIVEの一人として場を作っていければいいなと思っています。

ーーありがとうございます!岩井さん、引き続きよろしくお願いします!