INTERVIEWS

2022/12/14

2周年を迎え、今までとこれからのDRIVEの未来について。北海道新聞責任者 引地賢一・コミュニティマネージャー・運営責任者 川口ゆりインタビュー

 

SAPPORO Incubation Hub DRIVE は皆様のおかげで今年の秋に2周年を迎えました。10月には2周年記念パーティーも無事に終わり、この先もSAPPORO Incubation Hub DRIVEとして歩み続けます。今回はオープン当時からDRIVEに携わってきた北海道新聞の引地 賢一さんと、Community Manager である川口ゆりさんの現時点での思いや感じていることをDRIVE Community Staff の陳一惠(ちん・かずえ)が話を伺います。

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「DRIVEのパパ」

引地 賢一(ひきち けんいち)

釧路市出身、1964年生まれ。DRIVE最高責任者として、北海道新聞社ビジネス開発本部に所属。無類のMLB好き。立ち上げから現在に至るまでDRIVEに関わる数少ない一人。DRIVE関係全てのことを把握している。妻、子どもが2人。

「DRIVEコミュニティマネージャー」

川口 ゆり(かわぐち ゆり)

札幌市出身、1994年生まれ。19歳の時にミス・インターナショナル2014の日本大会ファイナリストに選出。短大卒業後、大手旅行会社勤務、IT企業の人事企画部門で札幌本社化に携わる。2019年に独立し上京。フリーランスHR、広報ライター、スタートアップ企業にて人事を担当し2022年5月に札幌にUターン。ひょんなことから2022年7月からSAPPORO Incubation Hub DRIVEコミュニティマネージャーを務める。大きい犬が好き。

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ーーまずはお二人とも2周年記念イベントお疲れ様でした。準備も当日も大変だったとは思いますが、実際どうでしたか?

引地:一番良かったところで言うと、多くの人からの川口マネージャーへの期待が感じられました。これからがもっと楽しみです。こちらが予想していた以上の多くの方に参加いただき嬉しく、全体的にこの先のDRIVEの熱量が垣間見えたイベントになりました。とても良かったと思います。

▼2周年イベントでの集合写真

川口:交流会は70名ほどの方に参加いただきました。また小規模でも交流会は定期開催したいですね。

ケータリングには確かにこだわり、MEET MEET STUDIOさんが特別にDRIVEのためにご用意してくれました。せっかくの2周年なので、いつものトークイベントだけではなく、視覚からも「お祝い感」を楽しめる場にしたいなって。

▼2周年イベント当日のケータリング

 

ーー2周年記念イベントの話から少し変わり、ここ最近のDRIVEの変化についてお聞きしたいです。コミュニティマネージャーが川口さんに変わってから変化を感じたことはありますか?

引地:7月から川口さんに代替わりして華やかになった気がします。お客さまへの対応がビジネスライクな感じから離れて、一層柔らかくなったかと思います。

川口:ありがとうございます。DRIVEがそもそもハード(場)としてコンクリートの壁や剥き出しの天井で、スタイリッシュな場所なので最初は緊張する方もいると思うんです。インキュベーションとぱっと聞いても分かりにくく、敷居が高い。だからこそ、ソフト(応対)はビジネスライクな感じから始めないように意識しています。

会話の最初も、まず自分から話しかけます。面白い会話や気の利いた話を意識するのではなく、些細なお声がけから少しずつ裾野を広げて、相手の話に興味を持つことが大事ですね。その後に自己開示をして、自分の話をするのがコツです。

▼今回は、本棚をバックに3人で

引地:なるほど。川口マネージャーは7人目のコミュニティマネージャーですが、それぞれのマネージャーでコミュニケーションの取り方が違い面白いと、傍で見ている立場として思います。少なくとも日本ではまだコミュニティマネージャーという言葉が聞きなれない時期にそのポジションを置いた点でDRIVEは先進的でした。北海道でもコミュニティマネージャーと呼ばれる人は少ないです。これは、DRIVEプロデューサーでもあり、NoMapsのプロデューサーでもある(株)大人の五十嵐慎一郎さんが提案してくれたんじゃなかったかな。

川口:私が今年の5月に札幌に帰ってきたのはDRIVEとは関係なく本当にたまたまです。「2022年、札幌に帰るのがなんか良さそう。札幌のビジネスシーンを盛り上げられそう」という直感でなんですが、そこからこうしてひょんなことから拾っていただき心から感謝しています。コミュニティマネージャーに誘ってくれたのはえぞ財団の団長の成田智哉さんです。今後私はコミュニティマネージャーとして、ここをよりオープンな場所にし、人も、場の可能性も循環するエコシステムにしたいです。場を立ち上げ守って盛り上げてくれたコミュマネの先輩方からハートを受け継ぎました。

▼インタビュー中、大変心地良かったです

ーコミュニティマネージャーになってから、具体的に、どんなことに注力していますか?

川口:最初の3ヶ月は「もっと認知をあげられるのでは」と思いTwitterを活発に運営しはじめました。例えば会員さんじゃなくても「施設を使ってくれそうな潜在層」を探して投稿にいいねしたり、エゴサを毎日して、クチコミを書いてくれた方の投稿を欠かさずRT。コメントを返し、フォローバックも積極的に行います。タイムラインも整理し、どんなにぱっと見面白そうなインフルエンサーさんでも、縁が薄いかも?と感じた情報商材アカウントは一切フォローせず、代わりにステークホルダー(関係者)のアカウントは、アクティブが少なくとも、積極的に見るようにしています。

最近、フォロワーさんも1000人を超えました。スタッフのみんなには、出勤したら必ず1日1投稿、イベント情報や最近の出来事、混み具合や自分のことなどを発信してほしいと伝えています。

あと、大学生が受付をやるコワーキングは貴重なので「スタッフの顔の見える化」にも取り組みはじめました。今後は、その認知を明確な利用につなげ、多くの方が活用しやすい体制を整えたいです。たとえばドロップイン利用を促進する仕組みを考えていたり、出張者向けの回数券、会員さん同士が仕事面でアイデア出しや壁打ちを助け合えるような施策、札幌のスタートアップの拠点になれるような施策など、あらゆることを考えています。

▼Twitterアカウント(フォローしてください)

▼パンフレットに載っているDRIVEの写真は洗練されている

ーー最近、Twitterのフォロワーが順調に増えてきていますよね!この先はどういう場にしていきたいですか?

引地:僕は子どもが2人いるのですが、DRIVEを3人目の子どもだと思っています。親は子供のことがみんな心配なんです、だから僕は、朝早く来て夜遅くまでどんなことにも気づけるようにしています。子供に思うことは一つだけ。何よりも健やかに成長してほしい。場所の運営は大変で、受付の機械の調子が悪くなるとか、Wi-Fiの調子が悪くなるとか、なんでか売り上げが上がらないとか。成果が出ず、時にトラブルが起きたり、グレるようなこともあるでしょう。ですけど、反抗されても子どもが何事もなく健やかに成長してさえくれればいいです。

▼熱く語る引地さんとそれを聞く川口マネージャー

引地:DRIVEは2024年の3月で一旦幕を閉じますが、それまでに次のステージに行ってほしいです。現在の道新ビルの改修が終わって再スタートとなったときに、またそこから何かできればと思っています。

川口:私はこの場は内側と外側が混じり合う場所で、その混ざり合いを大きな渦にし、北海道を発展させるエネルギーに変換できると信じています。内側というのは前々からの利用者様や運営チーム、外側というのはこれからDRIVEとの関係や利用を考えている人たちのこと。利用者目線すぎると身内感あるクローズドな場になってしまうし、逆に外側のアプローチに注力しすぎると色々な人が来すぎてそもそもどういう場なのか軸がぶれます。この二つのバランスが大事で、意識しはじめました。

▼DRIVEの雰囲気にぴったりなお二人

川口:仕事に集中できるというのはもちろん、それに加えて誰かと繋がることができる場所にするために、その両軸を諦めない。月に16,500円を支払って通ってくれている方が、2024年3月の段階で「いい場所で働けたなー」の実感だけではなくて、関係性なり、新たなアイデアなり、何かしらその人にとっての「おみやげ」を持ち帰ってくれるのが理想。そしてその後の2024年4月以降は、NEXT DRIVE構想(仮名称)というのを今一人で勝手に考えていて(笑)場所がなくなっても引き続き活性し続ける札幌のコミュニティと文化を作ろうと計画をしています。あと、札幌はDRIVEだけでなく多くの素敵なコワーキングやシェアオフィスがあるので、その方々とも手を組みたいです。

引地:この2年間、今まで本当にたくさんの人がDRIVEに関わってきて、コミュニティマネージャーも多分5,6回変わりましたが、様々な人がDRIVEに触れるこの過程そのものが今の性格につながっているんだなあとしみじみ思います。なんでも受け入れる雰囲気でカオスな感じはそのもので、いい意味で今でも変わってないですね。

僕は北海道新聞社がもしまたコワーキングをやるなら、「天空のコワーキング」と題して、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのインフィニティプールのように屋上に空間を作って場を盛り上げたい(笑)冬にはかまくらを作って、雪がなくなったら溶ける「かまくらコワーキング」というのも面白そう。その頃、僕は定年を超えますが、そんなことを考えていますよ。

▼引地さんの夢が止まらない

川口:夢がありユニークでいいですね!かまくらはだいぶ寒そうです(笑)場の運営に関わる方がビジョナリーであることは施設、組織運営において本当に重要です。私は特に北海道のインキュベーションを盛り上げるために、さまざまな垣根を超えて仲間たちとコミュニティを作っていきたいです。これからもよろしくお願いします。

これから先、もっと多くの人が集まり、交わる場所にしていきたいですね。

 

▼終始和やかな雰囲気でした!

ーー以上、普段お聞きする機会があまりない、「DRIVEへの思い」についてお二人に語って頂きました。この記事を読んだ皆さまのDRIVEの過ごし方が一層楽しく有意義なものになりますように!

(撮影のためにマスクを一時外しています)

 

▼インタビューはわたくし、陳が担当しました

文章・写真 / 陳 一惠(ちん・かずえ)

<プロフィール>

北海道大学農学部4年(2022年現在)。大学院は東京大学大学院に進学予定。普段は研究室で牛のお腹の中の細菌について研究している。DRIVEへはインターン先の仲間に誘っていただいたのがきっかけ。(ここで働けて良かったと、心から思っています!!)